花布(はなぎれ)とスピンを選ぶ楽しみ
2008-04-08(Tue)

会社に入って、本を造る際、さまざまな個所に文化的な技術やパーツがあることを知り、いろいろ勉強したものです。そのなかに、上製本に使う「花布(はなぎれ)」と「スピン」というのもがあります。
たとえば伊藤信男商店さんなどがそうです。この花布(はなぎれ)とスピンには、実はいろいろな色や模様があるんです。見本帳もあるんです。
最近は上製本をあまり作る機会がありませんが、上製本を作るときの楽しみに、布(はなぎれ)とスピンの選択があります。なんともいえず楽しいものです。
ところが、入社した当時、編集は、特別なことがない限り、この布(はなぎれ)とスピンを選ぶことができませんでした。制作部があらかじめ決めた布(はなぎれ)とスピンが使われていたのです。
それは、いろいろ選ぶと管理しにくいし、お金もかかるし、間違いも起こりやすいからだと自分なりに考え、納得していました。でも、なんかしっくりしない感じも残っていました。
それは、せっかく作ってくれたものを、使わないのはものを生かすことになるのだろうか、と思ったからです。だって、花布の職人さんはこれを作ると本がきれいに飾れるだろうと思ってつくるんでしょう。ならば、せめてその中から気に入ったのを選ぶのがいいと思ったからです。人ぞれぞれ基準は違います。だから、いろいろな選択があっていいと思います。その中から淘汰されるのは仕方がないことです。
でも、効率のみを基準に選ばれると、どうなるでしょうか。一種類しか使われなくなっても、この布(はなぎれ)とスピンを作っている人はずっといるのでしょうか。使われることがなければ職人さんも育たないし、会社の存続も難しくなります。
だから、私はこう思うのです。
いいものは使う、よいものは紹介するということが必要なのだと思うのです。
社会は、いま効率が重視されていますが、地球環境問題も効率重視で起こった問題のように思います。人によっては、コンピュータ化、作業の電子化も効率化の一つとして同一に思われているかもしれませんが、これは誰がしても同じことをコンピュータ化して効率をはかるのでしょうから、これとは違うように思います。
花布とスピンと同じように、紙なんかも同じことが言えます。紙もいろんなのがあるんです。これも選ぶとなんとも楽しいものです。これらは、出版のひとつの醍醐味といえると思います。
たとえば伊藤信男商店さんなどがそうです。この花布(はなぎれ)とスピンには、実はいろいろな色や模様があるんです。見本帳もあるんです。
最近は上製本をあまり作る機会がありませんが、上製本を作るときの楽しみに、布(はなぎれ)とスピンの選択があります。なんともいえず楽しいものです。
ところが、入社した当時、編集は、特別なことがない限り、この布(はなぎれ)とスピンを選ぶことができませんでした。制作部があらかじめ決めた布(はなぎれ)とスピンが使われていたのです。
それは、いろいろ選ぶと管理しにくいし、お金もかかるし、間違いも起こりやすいからだと自分なりに考え、納得していました。でも、なんかしっくりしない感じも残っていました。
それは、せっかく作ってくれたものを、使わないのはものを生かすことになるのだろうか、と思ったからです。だって、花布の職人さんはこれを作ると本がきれいに飾れるだろうと思ってつくるんでしょう。ならば、せめてその中から気に入ったのを選ぶのがいいと思ったからです。人ぞれぞれ基準は違います。だから、いろいろな選択があっていいと思います。その中から淘汰されるのは仕方がないことです。
でも、効率のみを基準に選ばれると、どうなるでしょうか。一種類しか使われなくなっても、この布(はなぎれ)とスピンを作っている人はずっといるのでしょうか。使われることがなければ職人さんも育たないし、会社の存続も難しくなります。
だから、私はこう思うのです。
いいものは使う、よいものは紹介するということが必要なのだと思うのです。
社会は、いま効率が重視されていますが、地球環境問題も効率重視で起こった問題のように思います。人によっては、コンピュータ化、作業の電子化も効率化の一つとして同一に思われているかもしれませんが、これは誰がしても同じことをコンピュータ化して効率をはかるのでしょうから、これとは違うように思います。
花布とスピンと同じように、紙なんかも同じことが言えます。紙もいろんなのがあるんです。これも選ぶとなんとも楽しいものです。これらは、出版のひとつの醍醐味といえると思います。