グーテンブルグ博物館に行った。
2008-10-28(Tue)


この10月の半ばから10日ほどドイツとイタリアに行ってきた。
主な目的のひとつは、フランクフルトで行われた国際ブックフェアを視察することだった。
その時のツアーコースに「グーテンブルグ博物館」があり、そこに行ったときに、今後の出版について大きく感じたことがあったので、そのことを紹介をしよう。
グーテンブルグは印刷を始めた人、印刷のために聖書は一般的になり、そのためドイツを中心にした宗教改革の引き金になった。そう西洋史で私は習った記憶がある。
その印象でグーテンブルグ博物館に行ったところ、ガイドさんが妙に気になることを言ったのだった。それはグーテンブルグは、印刷という人間を介さない書物を作ったので、当時の教会からは良いように思われていなかったということを聞いた。
えっ!
という感じだった。私は、グーテンブルグは教会から歓迎されたのではないかと勝手に思っていたのだった。ところがよく聞いてみると、それは誤解であり、その間違いが理解できた。当時は手書きで何十年もかけて聖書の複製を作っていたが、印刷だともっと短時間でできるので、良くないものと考えられたようだった。
そうなのです。今に戻って考えると、現代もそれと同じような発明が生まれているように思う。それは電子出版といわれるものだ。ところが、当時の印刷技術と同じように、電子出版の書物は邪道で、良くないものだという出版人は多いような気がする。でも、考えてみていただけないだろうか。ひょっとすると、印刷技術の発明と同じぐらい画期的なのが、電子出版物なのかもしれないということを。私はそんな感じがしたのだ。
つまり、電子出版物には今後、新しい文化を生む可能性があり、理解しない人も含めて、多くの人たちの意識を変えるツールになりうるということを感じた次第です。
皆様は、どう思われるでしょうか?